2017年7月4日火曜日

このイーサリアム関連記事はヤバい…

こんにちは。

士林翻訳サービスの林です。お世話になっております。

最近の仕事はイーサリアム系プロジェクト
OmiseGoのICO(Initial Coin Offering)の翻訳の
お手伝いでした。既にICOは行われており、
ちゃんとお金は集まったようで、良かったと思います。

それはそうと、つい昨日調べ物でググったりしていたら
かなりヤバイ記事を見つけました。


「ビットコインを追い抜きそうな仮想通貨「イーサリアム」
誕生の黒すぎる理由とは!? 
やはりアノ“陰謀一族”が絡んでいたことが判明!」
http://tocana.jp/2017/06/post_13569_entry.html

これはひどいですね。数字が結構援用されていて
一見ちゃんと書かれたように見えるけど
結論が事実と全く異なる。

一部引用:

「…ここに目をつけたのがロックフェラー系の投資銀行、
JPモルガンだ。彼らはマイクロソフトと組み、
「契約に使える仮想通貨」という比較的信用を得やすい
新たな仮想通貨を開発したのだ。
それこそがイーサリアムなのだ

マイクロソフトはAzureでイーサリアムを扱えるようにしましたし、
イーサリアム創業者が関わるConsenSys社とも協働してますが、
イーサリアム自体は開発してません。イーサリアムは、
若きヴィタリック・ブテリンがビットコイン業界の雑誌の仕事を
している間に着想してペーパーの発表を経てイーサ(ETH)の
クラウドセールにこぎつけたものです。自分はクラウドセールの
規約をセールの少し前に翻訳しています。
マイクロソフトが関わってきたのはもっと後です。

JPモルガンについては寡聞にして知りませんが、イーサリアム系
業界団体のメンバーだったり、Quorumなる別のイーサリアム系
ブロックチェーンの開発に関わっているようですが、
イーサリアム自体を開発した事実はないです。
そもそもETHは本来スマートコントラクトが動くのに
必要な暗号燃料(crypto-fuel)を買うためのもので、
決済が主要な存在目的ではありません。

もう一つ、記事の中でビットコインの2100万BTCという
キャップに対してETHにはキャップがないことで、直接そう
書かずとも「ETHは無価値になる」という結論を出していますが、
ETHはスマートコントラクトの実行のための燃料を
買っているので、イーサリアムブロックチェーン上の
スマートコントラクトは実行され続ける限りETHの
供給を必要とするはずで、
ETHの供給量をキャップする訳にはいかないはず。

またキャップされていない通貨は無価値になるというなら、
法定通貨(円、ドル、ユーロetc etc)で供給量がキャップ
されているものは一つもないわけで…

そもそもETHを「契約に使える仮想通貨」と定義してますが、
法律の契約とSolidityなどのプログラミング言語で記述され自律的に
実行されるスマートコントラクトは別物であることの理解
もないようです。

この記事の著者は「グローバルコンサルティングファームに
勤務するビジネスウォッチャー」
を名乗ってますがサイト内の彼の他の記事のタイトルを見ても
かなり怪しいです。

この記事は検索でも上位に来てるので、
もともと知識がない人は信じてしまうかも
知れません。

と言うわけで。

士林翻訳サービス 主任翻訳者 林





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