2016年5月14日土曜日

Consensus 2016レポートをお届けです。


(ビットコインクラウドファンディングの寄付者の方々に優先公開したものをやや遅れて公開です)



士林翻訳サービス Consensus 2016レポート


ビットコイン、暗号通貨、ブロックチェーン翻訳を得意とする士林翻訳サービス(http://is.shihp.in )の主任翻訳者の林です。この度NYのタイムズスクエアで行われたCoindesk主催のConsensus 2016(May 2-4, 2016)に参加しました。これはその模様のレポートです。


このレポートは、ビットコインクラウドファンディングに寄付くださった皆様にまず優先公開され、遅れて一般公開されます。


3日間のカンファレンスに先立ちハッカソンに参戦



もともと、5/2ー4(月曜日から水曜日)にタイムズスクエアで行われたConsensus 2016の3日間のカンファレンスにだけ出る予定でした。が、4/30(土ー5/1(日)の前哨戦のハッカソンにも申し込んだら参加が認められて、両日参加したので、まずハッカソンの模様からお伝えします。


会場は、タイムズスクエアのMicrosoft Technology Center。立地がすごく良く、スペースをゆったりと取っており、300名を収容できる会議室も備えています。X-Boxのサッカーゲームをプレイできるブースもあり、ハックの合間に参加者が興じていました。ハッカソン中の食事もケータリングで無料提供されました。前に出たGoogleのハッカソンと同様に、サラダやサンドイッチ、サブや果物が主で、ピザや中華のようなこってりしたようなものはなかったです。


ハッカソンでは、アイディアを持っている人が全体の前でリクルートのピッチを行ってメンバーを募った結果、20数組のチームが編成され、1チームは大体4人ぐらいでした。トータルの参加者数は200人近く、あるいはもっとだったようです。海外勢も結構いて、いくつもの聞き慣れない言語が飛び交う、NYCの縮図のようなインターナショナルな場でした。


賞金は優勝チームに5000ドル。二位のチームには1000ドルで、その他に各スポンサーも個別で賞を提供していました。


スポンサーであるIBMやMicrosft、デロイト、ConsenSys、Blockapps、ether.campなどの各社員がメンターとして駐在し、開発に行き詰ったチームは相談することが出来ました。


活用できるブロックチェーンのソリューションとして、HyperledgerやAzure Stack、ether.campなどなどの説明が、各社の社員が登壇して行われました。


週末だったからなのか、IBMの社員に至るまでジーンズに襟なしシャツのラフな格好。アメリカのIT業界にはドレスダウンの文化が定着しているのでしょう。


私が入ったチームは一日目は夜17時ぐらいには開発を終えましたが、他のチームの中には、深夜までハックし続けたチームもあった模様。


特徴的だったのは、(主催者もコメントしていましたが)、昨年(2015)のチームの多くが金融のソリューションだった一方、今年は金融でないブロックチェーンを活用したものが多かったという。


覚えている範囲で挙げると:エネルギー、労働組合、農業、カルテ、投票、アイデンティティ管理などなど。


賞ををもらったものも、非金融(ブロックチェーンを使ったエネルギーのプロジェクトー http://www.coindesk.com/consensus-2016-building-blocks-hackathon-winner/ )でした。


入賞するかどうかの基準は主に比較的早期に市場に投入することが可能か、などで、入賞したチームは今回作ったサービスをローンチするための会社立ち上げのサポートも得られたと聞いています。


私が入ったチームが取り組んだのは「スマートコントラクトを使ったAirBnBの代替」というものでしたが、残念ながら入賞は果たせず。リーダーの菊池さんは本職のブロックチェーン開発者で、今回ちゃんとプロダクトを作ったのですが、AirBnBをディスラプト出来るとまでは審査員に思ってもらえなかったようです。個人的には、「AirBnBなしのAirBnB」、中間業者なしのホストとゲストしか存在しないdecentralizedなサービスといったところまで踏み込めたら、審査員にもっとインパクトを与えられたかと思います。




カンファレンス(Day 1)





参加者は1500人程度で、世界のあらゆるところからNYのMarriot Marquisホテルに参加者が集まりました。時系列でレポートを書いていきます。


8:00AM-8:20AM


いよいよ開幕。オープニングはCoindeskリサーチャーで代替金融のためのケンブリッジセンターのGarrick Hilemanによる「State of Blockchain」(ブロックチェーン教書)。


Garrickが述べた主要なポイントは:


ー累計で1億1400万ドルがVCによって供給されている。特記すべきは、その内訳では、ブロックチェーンの割合が大きく伸びている。


ービットコインATMの数は一年前に比べて二倍。


ービットコインネットワークの合計ハッシュパワーは一年前に比べて3倍。


ーETH(イーサリアムの通貨)の価格は+1309%と言う脅威の伸びを示した。


(Garrickの注釈:スマートコントラクトはautomation(自動化)の一種で、イーサリアム上でネイティブに動きます)


ー最近BTC価格は安定傾向。


ーブロックチェーンはアジア、特に中国でメディアの注目を集め、報道されている。


ー用語(taxonomy)の話だと、ブロックチェーン技術(DLT技術)とブロークチェーンそのもの(the blockchain)は区別して扱われるべき。


ーブロックチェーンで金融が民主化される。


8:20-9:30AM


”Introducing Delaware Blockchain Initiative”


デラウェア州知事のJack Markell氏が登壇。頭をつるつるに剃った、俳優を思わせる白人男性。ブロックチェーンを「革命」(revolution)と呼ぶ。彼の下、デラウェア州では、法人登記のメッカとして「イノベーションを止めない規制」を目指している。一大発表もありました。デラウェア州といえば会社の登記場所で有名ですが、「distributed ledger shares」を具体的に進めており、ブロックチェーン上でデラウェア法人が株式を管理できるように。


Delaware Blockchain Initiativeにはブロックチェーン企業のSymbiontが協力しており、このセッションにも同社から登壇していました。



9:30AM-10:00AM


「Building a Global Payment App」のセッション。


米Circle社の経営陣が登場。彼らの話によれば、ビットコインアドレスに米ドルや英ポンドなどを送金でき、EU全域での営業の許可も取得済みとの事。電子メールを送信するようにグローバルにお金を送れるようにするというビジョンを持っている。Open Global Payment Networkを目指している。業界全体については、standardization body(標準化団体)が必要と。また、銀行もBTC決済を扱うようになり、各メッセンジャーアプリもBTC対応すると予測しました。


10:30AM-11:00AM


平行して2つのセッション、どちらかしか参加できない。イーサリアムの創始者Vitalikが出ていることから、「Reaching Consensus on Open Blockchains」の方に参加しました。


ーBitcoin CoreのEric: SegWitはビットコインの歴史で最大の改善


ーVitalk:各ブロックチェーンの間のinteroperation(相互運用)が課題


ーVitalk:decentralized(分散化)の程度はdifficulty of collusion(談合の困難さ)で測ることができる。


ーVitalk:  その日のスクープ、「Craig Wrightがナカモトサトシ」と言うニュースはガセだと思う。何故なら…(と整然と理由を述べた)


ーBitcoin FoundationのGavin: ビットコインのようなopen blockchainでは「3歩進んで2歩下がる」ようなことが多々あるが、それでも、我々が持つ最高のものだと思う。


Vitalikはカナダ人だが、イーサリアムを考案する頭脳を持つだけあって、言っていることがまるで技術系の記事から切り取ってきたようで、容易に理解することが出来なかった。カナダ人だからなのかそれほど暖かくもないのにイーサリアムのロゴをあしらったTシャツを着ていて、細いズボンを履き、全体的に細身。少し目つきが鋭いかなという気がした。


セッションが始まった後(おそらくメディアの)人だかりが出来ていた。ただ、後で、セキュリティの人と二人だけのところも見かけた。


11:20-12:00


またも二つのセッションが平行で、私は「Bringing Blockchain Innovations to Insurance」を選びました。保険業界に深い関心はないですが、もう一つのセションが実際のブロックチェーンの構築の話で、エンジニアでない僕には響かないトピックだったので。


ー4つの団体から登壇者が。USAA、 Everledger、 MassMutual、 Gem。


ーモデレーター:保険は無形資産なので、ブロックチェーンとの相性は良い。


ー生命保険のMassMutualは165年の歴史があるとジェニファー。ただ、私達はフィンテック特にブロックチェーンのディスラプションの可能性を認識し、注意深く追いかけている。


ー保険の請求における透明性をブロックチェーンが実現できるかもしれない(登壇者)。


ーブロックチェーンはデータの整合性チェックとして活用できる。


ー四人の登壇者に「ブロックチェーンで思い浮かべる言葉は?」と最後にモデレーターが尋ねると: 


●opportunity (機会)
●speed
●dominize (ドミノ効果)
●truth (真実)


ブロックチェーンという言葉で「真実」を連想する…分かるように思います。


1:30PM-2:10PM


また2セッションから択一。”Upgrading Capital Market for Digital Asset Trading”を選
びました。資本市場の話なのでスーツ姿の金融関係者が多く、僕のようなジーパン姿の人間はまばら(自分、一応襟付きシャツは着てました)。


Genesis Miningの方やDigital Currency Groupの方が登壇。まず、Digital Assetは新しいアセットクラスであるという話から始まり、みなさん概ね合意。特に「規制当局にとって新しいもの」と言う指摘が。


これから起こるのは「digitization of money」(お金のデジタル化)で、登壇者の1人は「最近のティーンはキャッシュを持ち歩く習慣がないよ」と指摘。


このDigital Assetという新しい資産クラスは、1兆ドル(1 trillion)と見積もられるそうです。


また、士林翻訳サービス(http://is.shihp.in)のブログにも出てきた話ですが、「法定通貨のデジタル版」が登場するのは、各中央銀行の動きを見ていると間違いがないと、Digital Currency GroupのBarry Silbert氏。


BTCCのBobby Lee氏は「ビットコインは既にフィアット(法定通貨)のようにトレードされている。FX界隈を見ていると明白だ」と。


またLedgerXのJuthica Chou女史は、「ビットコインは資産として金(gold)より優れている」と主張。


それから、先ほどの「法定通貨のデジタル版」= 政府による暗号通貨(government crypto)の話に戻り、各中央銀行がビットコインのように彼らの法定暗号通貨の供給量にキャップ(上限)を設けることはないだろうという断定的な予測が登壇者の1人から。


また、話が飛んで、(この辺り記憶が不明瞭ですみません)最近注目が集まるDAOについてBarry氏に質問があり、イーサリアム上のDAOは理想としては良いと思うが、decentralized (分散型) UberやAirBnBは方向性としては違うのではと答えていました。


ふと横を見ると、CNBCという米金融ケーブルチャンネルの記者がいて(首からプレス向けのタグをぶら下げている)、自分と同じく紙のノートにメモをとっていたので、なんか親近感を覚えました。


話を戻すと。


最後のあたりに出てきた話で、資本市場(Capital Market)にブロックチェーンが与える影響としては、将来的に、四半期ごとの報告が形骸化して、リアルタイムでブロックチェーン上で業績を確認するようになるだろう、と言う話でした。


結びの言葉は、「資本市場はdigital assetで変わる」。


2:20-3:00PM


「Law Enforcement & Anonymous Transactions」の方に行きました。


この辺りで主任翻訳者は疲れてきて、聞き取りに抜けが…


完全な再現でないですが、ご容赦下さい。


モデレーターは元米連邦の警察官で、今は民間のビットコインなどを使ったマネーロンダリング等の対策のコンサルタント。登壇者の別の方も元警官。彼らの立場からの話は面白そうです。


ー犯罪者が魅力を感じない技術は社会にadopt(採用)されない。犯罪者こそが新しいテクノロジーのβテスターだ。インターネット、PayPalなどもしかり。


ーブロックチェーンは警察と警察当局にとって福音。


ー警察当局が懸念を持ち対策する対象はTheft(窃盗・盗難)とマネーロンダリング。


最近よく聞かれるBTCでの身代金支払を要求するランサムウェアに関しては、犯人が外国に居住していると色々と難しく、解決に時間がかかるという話が。


登壇者の1人にZcashのZooko Wilcox氏がいて、Zcashはブロックチェーン上に記録される取引を匿名化する、mixing service的なもののようですが、彼が言うには、予想していたユーザーではなかった、金融業界、取引所や決済処理業者などから多くの問い合わせがあるとのこと。彼らが求めているのは取引のプライバシーで、違法行為をやろうと言うわけでは毛頭ない。


3:10-3:50


「Unlocking the power of smart contract」の方に参加。ハッカソンでもスマートコントラクトのチームに入っていたので。ちなみに今回のカンファレンスを主催するCoindeskさんが少し前に発表したスマートコントラクトのレポートは350ドルぐらいします。


イーサリアムの人(Vitalikではないが、共同ファウンダーのTaylor Gerring氏)とビットコインブロックチェーンでスマートコントラクトを実現するRootstockの創業者がいたので、これはとても興味深く、オーディエンスの質問も結構多かった。


このセッションで出てきたポイント:


ースマートコントラクトはM2M(マシーン・トゥ・マシーン)を実現し、これはこれからとてつもなく大きくなる(”will be huge”)。


ーマルチシグは簡便なスマートコントラクトの一種


ービットコインのスクリプト言語は故意に制限されたもの(intentionally limited)である一方、イーサリアムはチューリング完全であり、よりアドバンスドなスクリプティングを可能にする、ネイティブにスマートコントラクトを実行できる環境である。


また、スマートコントラクトに続くのはDAOであるという登壇者のコメントも。


スマートコントラクトが自動実行(self-executing)といっても、人間の介入、仲裁が必要になる場合もありえるという指摘もありました。


ーオラクルは新しいマイニングである(Oracles are new mining)


最後のほうでとても面白い質問がありました。考えても見なかった。


「違法なコントラクトを実行したらどうなる?言論の自由だろうか?」


登壇者の誰かが「obscene contract?(わいせつなコントラクト?)」というと、


笑いが起こりました。


返答を全部覚えていませんが、登壇者の返事は、「確かに言論の自由で保護されるかもしれないが…」「分散型のシステムで違法なコントラクトの追求は実際には難しい」「誰がコントラクトの実行ボタンを押したのか、が焦点になるかも」と言うところでした。


この段階でかなりの疲労を感じましたが、まだ帰れません。セッションの合間に流れるラップの入ったEDMが清涼飲料水のように「沁みた」のを覚えています。


…2トラックに分かれたセッションが終わり、大きなホールで


ジェネラルセッションが開始されました。


4:15-4:55PM


「Building a Better Payment Rail」


Rippleのクリス・ラーセン氏が登壇していたのが要注目でした。


シュワブ出身の彼の主張は、ブロックチェーン以上にIoV(価値のインターネット)の「interleger network」(台帳間ネットワーク)を作っていかないと、顧客にとって価値にならない。


BitPesaのElizabeth Rossiello女史の話:アフリカで起業した際、ビットコイン決済に助けられた。今は会社の信用も付いて、他の決済手段もあるが、これからもビットコイン決済は続けるつもり(”Bitcoin will always be accepted”)。


また、ビットコインネットワークは商用決済のための十分な流動性を持っている、とアラインコマースのMarwan Forzley氏がコメントしました。


4:55-5:35PM


「Clearing and Settlement for Global Financial Institutions」


NASDAQのBrad Petersonのコメント:インターネットの初期において、金融機関による適応は遅れたが、今回のブロックチェーンやフィンテックにおいて彼らは過去のレッスンを学んでおり、遅れを取っていない。


Digital Asset HoldingsのChris Church氏:ブロックチェーンは、まるで彼らが恐竜であるかのように従来の金融機関をディスラプトするのでなく、「プロセス」をディスラプトする。従来の金融機関は変革(transform)される。…「ブロックチェーンについて予測されている多くの用途は、これからだんだん実現されていくであろう」「ブロックチェーンはサイバーセキュリティのもう一つのレイヤーである」


CME GroupのSandra Ro氏:「CMEはHyperledger Projectのメンバーになりました」「本日アナウンスしましたが、CMEグループはBTCのrefernce rateを提供します(関連記事:




最後にモデレータから、「Does Bitcoin Still Matter?」(ビットコインは今も重要ですか?)と言う質問がありましたが、Noと答えた登壇者はいませんでした。


そういえば日本のビットコイナーがTwitterで「BTCは他の暗号通貨とは違うんだ」と言っていたのを思い出しました。

5:35-5:55
「Why Bitcoin Still Matters」(なぜビットコインは今も重要なのか)


投資会社Silver LakeのGlenn Hutchinsによる本日最後のセッションです。


これを最後に持ってきたことから、主催者のCoindeskは、いくらブロックチェーンが流行ってもビットコインを軽視していない事が分かります。


Glennはこう切り出しましたー「Blockchain good, Bitcoin Better」(ブロックチェーンは良い、でもビットコインはもっと良い)。


最近のブロックチェーンへの注目から「ブロックチェーンは良い、ビットコインは悪い」と言ってはばからない業界関係者もいる中、Glennはそれをもじって先ほどの発言です。


ー電子通貨が流通するIoV(価値のインターネット)は、グローバル決済レールとして今後とてつもない価値を持つだろう。


ービットコインにおいて、取引高も、ネットワークのハッシュパワーも、VCによる投資も伸びている。


ー(参加しているビットコイン企業の関係者に向け)BTC送金を電子メールのように簡単にすれば、あなたの会社はすごいことになる。


…疲労は極限。この後の記憶はまばらで、ハーレム地区の滞在先に戻った瞬間、ベッドに倒れ込みました…


カンファレンス(Day 2)



冒頭のデロイトのセッション(大口のスポンサーなので特別扱いの模様)は宣伝ぽいので、スキップしました。Day 1の疲れ方がひどかったので、少し遅めに一日をスタート。


10:30-11:10AM


“Preventing the next Lehman Brothers”(次のリーマン・ショックを防ぐ)を選択。


ーBlockchainは金融機関のクリアリングを置き換えないが、効率を格段に向上させる。


ーブロックチェーンで、規制当局は各取引の詳細をリアルタイムで見ることができるように。


ー7年間ダウンタイムのないビットコインブロックチェーンは素晴らしい実績であり、同等の実績を主張できる金融機関はない。


Live Implementation(本番の実装)は、Jeffrey Billinghamを始め、登壇者の間で「3-5年先だろう」でほぼ一致しました。


11:20-12:00AM


“Speed in Securities Settlement” (証券決済におけるスピード)に参加。


ーNasdaqのFredrik Voss氏: Nasdaqは現在T+3(注:取引日から3日で決済確定)ですが、ブロックチェーンにより、新しいマーケットモデルが可能になる。


ーPure automated system without governance(ガバナンスなしの完全自動システム)は規制面において未知数。


ー規制(当局)は技術の進歩とともに変わっていく必要がある。


ー決済を短縮できれば、クレジットリスクも減少。


ーDTCCのRobert Palatnick: Hyperledger projectに入っているが、他にも多数の試行が行われる余地がある。


ークレディ・スイスのEmmanuel Aidoo氏: 今日の金融関係者は15年前に比べてはるかに技術に明るい(”tech-savvy”)。


ーブロックチェーンを利用した決済のプライバシーは課題。


ーブロックチェーンはP2P決済(P2P Settlement)である。


1:30-2:10


2トラックあり、“Building an infrastructure for Internet of Things” (IoTのインフラを構築する)を選択。


ADEPTやデバイスデモクラシーで知られるIBMのCTOが出ていて注目でした。


IBMのGari Singh氏は自宅のデバイスをネットワーク化しているそうで、IoTには非常に前向きで楽観的。


別の登壇者:IoTはインターネットの前、20-30年前から同様のものが存在していた。M2M(マシーン・トゥ・マシーン)とかend-to-endとか言われていたものだ。


また別の登壇者の予想:2020年までに200-500億のデバイスがインターネットにコネクトされると言う試算がある。


ーdecentralization(分散化)はスケーラビリティの問題の一部を解決する。


ーIoTによるユートピアを予想する人もいるが、XMLの時は期待されていた理想を達成しなかった。


ー分散化は良い:100万人が参加するエネルギーのマーケットプレイスのほうが5社のメガエネルギーグリッドによる寡占よりも望ましい。


ーIoTのウェアラブルへの適用が進みつつあるようだ。


ーコンシューマー向けIoTよりもインダストリアル(産業)向けIoTのほうが先行していく、具体的なコストカットが実現できるため。


2:20-3:00


“Digital Cash for Central Banks”の方に出ました。


アメリカの中央銀行、セントルイス連邦準備銀行の長David Andolfatto氏が参加した注目セッション。


この方はブログをやっているそうで、英語が読める人は「David Andolfatto Blog」で検索するといいかも知れません。


Davidの見解:FRBにとってBTCは外国通貨のようのなもの。ビットコインを始めとした暗号通貨は一部の法定通貨(フィアット)に将来的に大きな影響を与えるかもしれない。政府の中央台帳を全員に解放するというアイディアは、個人的に大いに賛成。


米Financial Stability Board(監督機関)の長John Schindler: DLT (Distributed Leder Technology、ブロックチェーンの別称)は透明性の点でアドバンテージを持つ。しかもリアルタイムに近い形で確認できる。規制当局が求めれば、ボタンのワンプッシュでコンプライアンスを確認するデータが出力できるようになる未来が。


ーブロックチェーンでの決済において、法域(jurisdiction)の問題が今後予想される。


ここで、モデレーターが米ドルの電子化について聞くと:


Davidは明確なことを言わなかったが、Johnは、FSBの内部に実施の可能性を具体的に研究しているリサーチャーが一部いると明かす。


セッションの最後の方にRegTechという言葉が出てきた。R3 CEVのブログでも時々言及されるので、今後のバズワードかもしれない。


3:10-3:50


“Solution for Financial Inclusion”を選ぶ。


Stellar.orgから(おそらく)代表のJed McCalebが出ているのに注目しました。


ー米国市場をターゲットにしたアイデンティティ(身元確認)の会社が現れている。


ーStellar.orgのJed: ナイジェリアで決済ネットワークの構築に関わっている。


ーGhana dot comのNii Quaynor氏:ブロックチェーンだけではfinancial inclusionの問題を解決できず、コネクティビティ(ネット環境)、規制、教育の問題にも取り組む必要がある。


ー別の登壇者:ビットコインでアフガニスタン等の女性が初めて自分の財産を持てるようになった。


ーGhana dot com Quaynor氏: アフリカのEコマースはもっと発展しなければ。(また、)途上国中央銀行による電子通貨の開発(途上国のスマホの普及が進んでいることを受けて)については、もう少し時間がかかるという見方。


4:10-4:35


“Blockchain in Global Context”


大きなメインのホールで全員が参加したキーノート・プレゼンテーションでした。


もしかしたら今回のカンファレンスで最大の目玉かもしれない、前合衆国財務長官ローレンス・H・サマーズの登場。


以下サマーズ氏のコメント:


ー「ブロックチェーンは変革である」と明言。


ービットコインは政府の規制から自由でありえない。


ーブロックチェーンは金融の現場を変える。


ーブロックチェーンの導入ですぐさま生産性は向上しないであろう。複数のシステムが並行で稼働するという無駄が一時的に発生する。ただしそれはいずれ解消され、生産性は向上する。


モデレーターにビットコインを持っていますかと聞かれて、「持ってない」と答えたサマーズ氏に、モデレーターがズボンのポケットからさっと、ビットコインの入ったハードウェアウォレット(おそらくTrezor)をプレゼントし、会場がどっと沸いた。


4-35-4:50


“CHAIN + VISA”


chain.comとクレジットカードのVISAの協働のプレゼンテーション。


ービットコインブロックチェーンに続いたのは現行のアセットのデジタル化(digitization)


ー金融サービスはソフトウェアになった。


ーローコストで柔軟なインフラの登場。


ーVISAの出資を受けたChain.comは本日、ハイスケールの金融市場向けに「Chain Open Standard 1」と「Chain OS 1」を発表。


ーVISAはクローズド&プロプライアタリー(独占所有)からオープン&collaborative(協働的)へ。


4:50-5:25


“The Future of Regulation”


ー規制当局の基本原則は「Do no harm」(害を為さない)アプローチの採用。


ーブロックチェーンは金融危機を回避しやすくする。Failure(機能の不全)の発生は無くならないが、技術がもたらす透明性は助けになる。


ーブロックチェーンはデジタル化された台帳。


5:25-5:35


“How to Get Bitcoin (Without Mining or Buying Bitcoin)” (マイニングや買うことなしにビットコインを得る方法)


21.co のプレゼンテーション。ビットコインで駆動するMachine-Payable Webの話で、非常にエキサイティング。
研究の上、士林翻訳サービス(http://is.shihp.in)のサイトで記事化する予定。


5:35-6:00


“The Future of Blockchains”
21.coのBalaji Slinivasan氏とR3 CEVのDavid Rutter氏が登壇。


Balajiがビットコインを信じており、Linuxのように最終的にメインストリーム化するものと捉えている一方で、Davidはビットコインに懐疑的で、持ってもいないと。


ウォール・ストリート・ジャーナルからのモデレーターはビットコインにあまり好意的ではなく、Balajiに「ビットコインがだめになったら21.coはどうなるのか」と聞くと、Balaji氏は、仮にそのように展開しても、BTCではない他の暗号通貨にシステムをピボットできると話す。


6:00-6:10


“Closing Remarks” (閉幕の所感)


この時点で疲れきっていて、唯一関心を持てたのは、出なかった別のセッションで行われていた、スタートアップピッチコンテストの優勝者の発表。


Collin Vine氏による「Colony」が優勝し、賞金を受け取った。アメリカでは雇用されない形で働く、「ギグエコノミー」が一般的になっており、それを支援するプラットフォームとのこと。既に会社を作っているようで、「future of work」であると喧伝していた。サービスが利用できるなら士林翻訳サービスでも活用を検討したい。現在登録が可能になっており、こっちに詳細がある(英語): https://colony.io/

カンファレンス(DAY 3)



最終日。長かった三日間も今日で終わり。正午ぐらいに幕を閉じる。


9:30-12:00


3つのワークショップから選べ、自分は「Setting Enterprise Standards in a Multi-blockchain World」を選択した。イーサリアム創業者Vitalkが名を連ねていたため。


ー司会の一人: 取引所が順守するべき報告の基準(reporting standards)やAML(アンチマネーロンダリング)のスタンダードが存在していない。


ー別の司会:特定の目的のブロックチェーンも可能。


ーVitalik: 各ブロックチェーンのスクリプティング言語を標準化して、チェーン間でプログラムをポート可能に。


ーVitalik: プライバシーとプロックチェーンについて。データの保全において、1台のコンピュータで持つより10台でコンセンサスを持ったほうが望ましいが、プライバシーの点から言えば、1台にあるデータに比べ10台で持つ場合failure points(障害ポイント)も10ヶ所になる。


FDICやCitibankの人が参加者にいたのが興味深かった。


ーその他の登場したバズワード:  Solidity-to-Go (SolidityをHyperledgerのChaincodeに変換するソフトウェアが最近開発された)、Chaincode(Hyperledgerにおいてイーサリアムのスマートコントラクトに相当する)、IPFS、ChainDB



以上です。読むのが大変だったでしょうが、書く方も楽ではなかったです!


最後に宣伝。暗号通貨、ビットコイン、ブロックチェーン関連の翻訳は


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士林翻訳サービス 主任翻訳者 林 士斌




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