2016年5月28日土曜日

クラウドソーシング翻訳は翻訳者の生活を破壊するのか

こんにちは。

士林翻訳サービスの林です。

今日は前から考えていたことを論じてみようと思います。

と言っても自分の中で結論はほぼ出ています。

私は、今でこそ、直のクライアントもかなりおり、書籍(日経BP社「ブロックチェーンの衝撃」)の翻訳にも参加させてもらえるように
なりましたが、最初に仕事を始めたのはクラウドソーシング系の翻訳サービスでした。

最初に合格したのはGengo(登録の当時はMyGengoという名前)さんです。

ここと他の幾つかのクラウドソーシング系翻訳サービスに登録して、
一時期はそれらが売上の全てでした。生活が楽でなかったことは認めます。
(千葉の月3万円+公共料金のシェアハウスに住んでいました。黒人やアジア系の外国人だらけだったのがいい思い出です)

だんだん技術、ノウハウが向上して今ではニュースサイトの翻訳も定期的にいただくようになりました(NDAのためどこでやっているか開示できませんがフィンテックです)。

クラウドソーシング系は納期が非常に厳しいです。Gengoでは、1時間なら1時間の納期で出さないと終わってなくてもそのままjobプールに戻されてしまいます。9割終わってても、問答無用でお金は発生しません。

また、納期に関係なく、時給換算で一定の金額をクリアするために、時短、効率化を極限まで進めなければなりませんでした。そして、Gengoでは定期的にシニア翻訳者と呼ばれる人々がランダムに抽出された案件を10点満点で評価しています。こんな風な評価システムです。



Gengoさんの仕事をやった結果、かなり鍛えらました。

現在、私はクラウドソーシング系の仕事と決別する気持ちはありません。

単価だけで仕事を判断するべきでないという理屈もありますが(高単価でもクライアントとの連絡の時間がやたらかかったりなど)、

良くテレビでやっていた(自分は今家にテレビをおいてませんが)
「電力のベストミックス」的な考え方と言うと分かりやすいでしょうか。

現在、自分の仕事は:直の翻訳、クラウドソーシング翻訳(6社程度から随時通知)、そしてブロックチェーンの翻訳の実績から派生したコンサルティング契約となっています。

クラウドソーシングは安いから…という翻訳者方もいらっしゃると思いますが、僕のやっているところの中では、英和でワード10セントを上回るところがあります(Gengoのプロレベルなど)。速度と質を両立できるなら相応のお金を払うクラウドソーシングの例では、One Hour Translationなんかもそうです。

非クラウドソーシングの一般翻訳会社でワード10セントくれないところは多いです。

現在、自分は最低時速500ワード出るようになったので、クラウドソーシングでも時間が余ります。

…話を戻すと、普通の翻訳とクラウドソーシングを組み合わせることにより、非常に快適に翻訳稼業が出来るということです。

例:不調なら、直の仕事はやるけれど、クラウドソーシングは休む。直の翻訳の合間にボコっと空いた時間があれば、気分次第でクラウドソーシングの仕事を拾う。クラウドソーシングの仕事は登録翻訳者への一斉送信ですから、気が進まないなら取らなければいい。

クラウドソーシング系翻訳の台頭が、「翻訳業界とそこで働く翻訳者の生活を破壊するものである」という考えの方が多くおられるかも知れませんが、そう決めつけることも出来ないと思います。部分最適化ではない、全体最適化において、翻訳者が十分な収入を得るスキームの一部であると考えます。

ただし、unbabelなんかの機械翻訳のポストエディットなんかは僕にとっても微妙で、
unbabelにも登録してますが、放置状態になっています。もし今後やるとしたら、他の翻訳とは完全に頭を切り替える必要があるでしょう。現状それに見合ったお金ではないですが。(それでも、unbabelさんは時給換算20ドル以上可能と謳っていますけど)

とりあえず、food for thought (考えるためのネタ)として、書きました。

では、

士林翻訳サービス 林

p.s. Gengoさんはクラウドソーシング翻訳界のトップになっているので、既に翻訳に携わっている方でも、プロレベル登録(自分は合格)はおろか、スタンダードレベルにも合格しない可能性があります。通用するかどうかやってみたい方はこちら






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