2015年3月19日木曜日

学校で英語が得意だった人が翻訳者になってはいけないわけ


皆様こんにちは。

士林翻訳サービス主任翻訳者の林です。


前回から、ずいぶんと更新の間が空きました。

主任翻訳者の近況ですが、

あちこちからお呼びがかかって、前はガンガンやっていた
クラウドソーシング系の仕事をあまり受けられない状態になっています。

クラウドソーシングは僕指名での仕事でないので、

必然的に直接僕に依頼が来た仕事を優先しています。


ただある一社からの仕事があまりにも仕事が多いので、分量を減らしてもらうよう交渉しました。

頭がひとつしかないので、処理できる分量には、当然限度があるわけです。

もし手伝いたいという翻訳見習いの人がいましたらNohohondes@yahoo.co.jp

まで連絡を。短い翻訳課題を送付いたします。(ただし無給です。フィードバックは提供します。)



さて、掲題の件ですが。



自分は現在翻訳専業になっていますが、

翻訳志望、またはプロの翻訳者を目指している方と

交流する機会があります。

彼らは総じて「中高を通じて英語が得意だった人たち」です。

英語の原書を読んで英語をバリバリ鍛えてる人たちです。

大学等の英文科に進んだ人もいます。

ただし、こういう「I love English」な人たちは、はっきり言って翻訳の道に進んでも

ほとんど見込みがありません。




なぜならこういう人たちが目指す「英和翻訳」の世界は、

日本語の表現力がある程度以上ないと「Cannot get very far」(あまり遠くまで行けない)

世界だからです。

(まあ、和英翻訳という選択肢もありますが、日本語ネイティブの人が

アメリカ人を唸らせる英文を書くのは至難の業で、アメリカに7年留学した

僕にもおぼつかないことです。)



「I love English」な人たちは、往々にして日本語力を鍛える必要性に全く気が付きません。

私は、僕は日本語ネイティブだから、日本語は大丈夫、後は英語!と思っています。


でも。


英和翻訳では、アウトプットされるのは日本語です。そして訳出された日本語文は

ものによっては(メディア系とか)、千とか万の単位の読者がいます。


読者がろくに鍛えていない日本語を読んだらどう思うでしょう?



先述の「I love English」なひとたちは、往々にして日本語書籍を読みません。

そういう人ははっきり言って、英和翻訳をやるべきでないわけですが。



ちなみに自分は日本語の本を相当読んでいます。アメリカ留学中でさえ日本語書籍を

買い求めて読んでいました。

累計の読了書籍の冊数は数千冊は下りません。



そしてこれらの書籍から得た日本語のボキャブラリーは英和翻訳の際に大いに役立っています。

例えば、翻訳する時、辞書の定義のどれも、候補として上手くはまらないことがあり、

そういう時には考えぬいて自前で訳文をひねりだしています。

あと、訳文の日本語としての質を測る際にもこれまで読んできた日本語書籍が

非常に役に立っています。



先ほどの「I love Enlish」な人たちの中には、ろくに日本語書籍を読まない人がおり、

はっきり言って、翻訳者(少なくとも英和翻訳者)になれたとしても、大成する可能性は

限りなく低いわけです。



だからこういう英語ラブな人たちは、英文事務やその他の「英語を使う仕事」

に行ったほうがいいと思います。英文事務で英文レターを作成していたほうが幸せでしょう。


結論。


日本語を鍛えてない人が、日本語を書いて継続的にお金をもらえるわけがありません。
英語ラブな人たちは、英文レターが書ける仕事に就きましょう。



今回はこの辺で。


士林翻訳サービス 主任翻訳者  林